ナイトブラやブラジャーの締め付けが、乳がんの発症率を本当に高めるの…?と思ったことはあるのではないでしょうか。
答えからお伝えると、ナイトブラやブラジャーは乳がんの発症率を上げる可能性はない…!という研究結果がでています。
こちらではナイトブラと乳がんの関連性・なぜナイトブラと乳がんの発症率と関係がないと言い切れるのか・正しいナイトブラの選び方」を解説します!
目次
ナイトブラで乳がんになるというのは都市伝説…!世間を騒がせた原因はある本にありました!
ナイトブラやブラジャーは乳がんの発症率を上げる可能性はないと冒頭で伝えしました。
しかしなぜ「ブラジャー=乳がんになる」という話が広がったのでしょうか?それは下記で紹介する一冊の本が根元と言われているんです…!
ナイトブラで乳がんになる…!と世間を騒がせた「ドレス・トゥ・キル:乳がんとブラとの関連」という著書とは?
原題 | (Dressed to Kill: The Link Between Breast Cancer & Bras/) |
---|---|
著者 | シドニー・ロス・シンガー(Sydney Ross Singer) |
発売日 | 2017/11/1 |
著書の信頼性 信憑性について | |
言語 | 英語 |
販売ページ:Amazon.co.jp | 詳細はこちら |
Dressed to Kill(ドレス・トゥ・キル)は、シドニー・シンガー&ソーマ・グリスメイジャー夫妻より、アメリカで出版された「乳がんとブラとの関連性」についての書籍です。
この著著は「ブラジャーを着用すると乳がんになる可能性があがる」と執筆されており、アメリカのヘルスケアやファッション界、日本の「ホンマでっか!?TV」の番組内で、ドレス・トゥ・キルの研究内容の一部が紹介された過去があります。
本の中身には、妻ソーマ・グリスメイジャーの妊娠中に乳がんが見つかったことにより、夫婦での医療チームを結成し乳がんとブラとの関連性を研究したと書かれています。
しかしながら彼らは一般人であり、権威ある医者やがん研究者ではありません。そのためブラジャー着用が乳がんになるという関連性の根拠はないと言われています。シンガー氏の研究結果を一部をお伝えします。
1日12時間ブラをつけていると乳がんの確率は25倍、24時間だと125倍にアップする
ブラジャーを着用している時間 | 乳がんの発症率 |
24時間着けている | 1/4 |
12時間以上 | 1/7 |
12時間未満 | 1/152 |
ほとんど着けない | 1/168 |
※乳がんを持った女性2,056人、乳がんではない女性2,674人(合計4,730人)を対象としたアンケート結果です。
こちらの表は、ブラジャーをつけている時間が長いければ長いほど体が締め付けられリンパの流れが悪くなり、免疫力が低下。その結果、乳がんの要因の一つになるとの研究結果です。
しかし上記でもお伝えしましたが、彼らチームは医師やがん研究者でもない、ロス・シンガー氏という個人的な結果による調査結果になります。
つまりブラジャーをつけている時間が長いければ乳がんの発症率がアップするという医学的な根拠はない…!と考えてもよいでしょう!
癌研究センターが研究した結果…ナイトブラやブラジャーは乳がんの発症率を上げる可能性はない…!
タイトル | 乳がんリスクと関連しないブラジャー装着:集団ベースの症例対照研究 |
---|---|
著者 | 米国ワシントン州シアトルのフレッドハッチンソン癌研究センター保健科学部門 Lu Chen氏ら |
発行先 | (米医学誌)Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention |
詳細URL | 電子版はこちら |
Lu Chen氏らはこれまでに「ブラジャーをつけると乳がんになる危険性を高める」という”都市伝説”について「ブラジャーの着用は女性にとって極めて一般的で、検証すべき重要な問題」と考え、上記のような科学的な研究を行いました。
米シアトル-ピュージェット湾都市圏に住む55~74歳の女性(閉経後)1,513人(浸潤性乳管がん454人、浸潤性小葉がん590人、乳がんなし469人)に対してブラジャーについて以下の7項目などのアンケートを実施したようです。
- 着用開始年齢
- アンダーワイヤの有無
- カップサイズ
- アンダーバストサイズ
- 1日の着用時間
- 週当たりの着用日数
- 着用パターンが過去に変化したか
7項目などの情報を分析した結果、着用開始年齢、アンダーワイヤーの生む、カップサイズ、アンダーバストサイズ、着用時間、着用パターンのすべて乳がんになる危険性に関与しないことが証明されました。
ナイトブラの乳がんについて良くある質問や不安FAQ
【Q1】寝るときに夜用のブラ(ナイトブラ)をつけたままだと乳がんになるリスクが高まると聞いたが本当ですか?
【A】いいえ。癌研究センター保健科学部門LuChen氏らの研究結果によってブラジャー・ナイトブラが乳がんになる危険性に関与しないことが証明されました。
【Q2】乳がん予防はナイトブラよりスポブラのほうがまし?
【A】バストの負担にかけないという点でご提案させていただきます。①減らす自分に合ったサイズ②締め付けが心地よい③横向き寝やあおむけ寝でも流れない。このような昼用ブラジャー、夜用のナイトブラの着用をおすすめします。
【Q3】乳がんの術後、入院中につけるブラはノンワイヤーのナイトブラがおすすめですか?
【A】ノンワイヤーのナイトブラと言っても、アンダーにゴムが入っている構造だと、バストを締め付けることになり悪影響です。病院側からは前開きの胸帯を用意するようにと指示があります。マタニティ用前開きブラジャーを用意するとよいでしょう。
【Q4】乳がんの手術前・手術直後・手術後につけるブラはどんなブラがおすすめですか?
【A】着脱が楽なナイトブラ、きつければノーブラをTPOに合わせて選ぶと良いでしょう。以下乳がんになった方の手術前・手術直後・手術後のブラ着用の一例です。参考にしてください。
手術前 | 手術直後 | 手術後 | |
在宅時日中 | ノーブラ/ナイトブラ | – | マタニティ用前開きブラジャー |
自宅&就寝時 | ノーブラ/ナイトブラ | エキスパンダー1回目注入まで:マタニティ用前開きブラジャー | エキスパンダー1回目注入後:ノーブラ |
外出時 | 通常のワイヤー入りブラジャー/ナイトブラ | マタニティ用前開きブラジャー | 通常のワイヤー入りブラジャー/ナイトブラ |
ブラジャーの着用で乳がんの心配はしないくてOK!ナイトブラでバストケアをしましょう!
ここでは、ナイトブラの締め付けが乳がんの発症率を高めるという説は、医学的に証明されていないということを解説しました。
そもそもナイトブラの役割は「バストの下垂・型崩れを防止するサポート」や「育乳や美乳を促進する」といったバストの悩みを解決するアイテムです。
まずは、正しいナイトブラの選び方を知ってき、ご自身にあったナイトブラでバストケアをすると良いのではないでしょうか。